2023年まとめ

2023年は、久々に書籍執筆をしていない年で、心に余裕をもって日々を過ごすことが出来た。雑誌の執筆はいくつか行ったが、書籍に比べればマシだった。というわけで、2023年も暮れになったので、本年を振り返ってみる。 2023年の成果 2023年の成果は以下とな…

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』と『Finaly Fantasy 16』をクリアした

題名の通り、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』と『Finaly Fantasy 16』をクリアした。どちらもビッグタイトルでクオリティが高かく楽しめた。前者はオープンワールドで、後者はほぼ一本道の従来のRPGという感じだが、どちらも戦闘はアクショ…

2022年まとめ

2022年は戦争がはじまり、時代が逆行したような年でした。我々は技術者・研究者であるので、社会的・政治的には時代が逆行しても、科学と技術を進歩させ、科学技術で社会問題を解決してきたい所存であります。 『ゼロから学ぶRust』を執筆した 2022年12月13…

【読書】『同志少女よ、敵を撃て』を読んだぞ!

『同志少女よ、敵を撃て』は、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前に発売された書籍で、発売当初から個人的に注目していた。発売されたときは、積み本が山のようにあったので見送っていたのだが、情勢も情勢だけに読んでみることにしたが、非常に面白かった。…

大学を辞めエルデンリングをクリアした

個人的に、2022年は大きな出来事が二つあった。一つめは大学を辞めたことと、二つめはエルデンリングをクリアしたことだ。自分はフロムソフトウェアのソウルシリーズはデモンズソウルの頃からやっており、特に協力プレイが大好物だ。侵入も好きだ。侵入者に…

Rustのasync-stdを利用したRedisサーバクローンが公開されました

大学でセキュリティ関連の演習を行いました。この演習では、大学院生と社会人が研究や実装を通して実践的な学習を行います。トピックはRewrite it in Rust、モデル検査、ゼロトラスト、暗号など色々あるのですが、そのうちRewrite it in Rustのトピックを選…

RustでRaspberry Pi 4を操作してみた

RustでRaspberry Pi 4をどれだけ操作できるか興味があったので、連休期間にやってみました。制約は、Rustのasync/awaitを使うこと、rppalというembedded-halベースのライブラリを利用することです。結論から言うと、I2C、SPI、GPIOなどほとんどの操作はRust…

2021年まとめ

2021年も引き続きコロナだった。しかし、ワクチン接種があったため、命の心配をすることはなくなったので、比較的平穏に生きることができた。今年は、やはり「さようなら全てのエヴァンゲリオン」だろう。エヴァが終わるのは感慨深いものがある。研究関連は…

『並行プログラミング入門』を執筆しました

これは、Rust Advent Calendar 2021 (2)の25日目の記事です。 https://qiita.com/advent-calendar/2021/rust2021年8月にオライリー・ジャパンより出版された『並行プログラミング入門』を執筆しました。並行プログラミング入門 ―Rust、C、アセンブリによる実…

TLA+ on VSCodeで再帰ロックアルゴリズムを検証してみた

TLA+を使って『並行プログラミング入門』4.4章にある再帰ロックのアルゴリズムを検証してみました。TLA+は公式のGUIアプリも用意されているのですが、今回はVSCodeを利用してみました。公式のGUIアプリはエディタが微妙なのですが、VSCodeを使うとサクサク書…

【読書】三体を読んだぞ!

三体問題は物理学で有名な問題で、2つの物体が相互作用する場合はその挙動は解析的に解くことが出来るが、これが3つ以上となると解析的に解くことが出来ないという問題である。三体は、この三体問題をテーマとした中国発のSFで、以前からその噂は耳にしてい…

Schemeによる第一不完全性定理の実装

『知の限界』という本を買ったら第一不完全性定理をLispで実装する方法が載っていた。しかし、そのコードはSchemeでは動かないように思えたので、Schemeで実装をしてみた。不完全性定理では、コード中の引数に自身のコード渡して、自己言及的なゲーデル文Gを…

『実践TLA+』を読んだ

ざっくりというならば、モデル検査とは、仕様を(様相)論理式に落とし込んで、その仕様がモデルを満たしているかを検査するための方法論である。TLA+はモデル検査用のツールであり、仕様や実装の正しさを検証することができる。自分はモデル検査ツールはNuS…

『禅とオートバイ修理技術』を読んで美について考えた

ハヤカワの本が安売りしていたので、禅とオートバイ修理技術という本を読んでみた。クオリティの話をしながらアメリカをオートバイで横断していくロードムービー的な話なのだが、懐かしようなやたら難しいような、それでいて引き込まれ考えさせられるような…

ロボットプログラミングで遊んだ

Qumcumという学習用のロボットがあると知り合いに教えてもらったため、買ってみて遊んでみた。Qumcumはその知り合いが学生時代の時の教員だったらしい。Qumcumは自分で組み立てを行い、プログラミングして動かせるようなロボットである。組み立てはドライバ…

自作言語BLispがHackers Newsで話題になっていた

現在、BLispというプログラミング言語を設計・実装中で、基本機能は出来たので、とりあえずのドキュメントを作成して公開した。https://ytakano.github.io/blisp/index.ja.html https://github.com/ytakano/blispこれを公開したのが2021年2月21日頃だが、6月…

【読書メモ】廃園の天使IとIIを読んだ

早川書房のセールがKidleストアでやっていたため、Amazonの欲しいものリストに入れたままずっと買っていなかった、『グラン・ヴァカンス 廃園の天使 Ⅰ』と『ラギッド・ガール 廃園の天使 Ⅱ』を買って読んでみた。ずっと欲しいものリストに入っていたため、何…

【読書メモ】ビット・プレイヤーを読んだ感想

グレッグ・イーガン「ビット・プレイヤー」を読んだ。グレッグ・イーガンはSFの巨匠らしく、いろいろなジャンルのSFを書いているらしい。最近、ちまちまと短編SFを読んでいるが、本作はシンギュラリティを超えたストーリーの作品が多かった。シンギュラリテ…

RustでHello, World!

環境構築 実験用のOSはUbuntu 20.10、x86_64を想定します。まず、Rustの環境を整えます。Rustの環境はrustupで構築できるので簡単です。Rustには大きく分けてstableとnightlyがあるのですが、今回はnightlyを利用します。具体的には以下のようにコマンドを入…

シン・エヴァンゲリオン劇場版を視聴した(ネタバレあり感想)

最近、眉をしかめることがあった。研究室には事務作業をしてくれる事務の方が居るが、自分で取ってきた研究費を用いた物品調達は研究室事務に依頼するのを禁止された。ボスの研究費のみ依頼可能らしい。なるほど。まあいいだろう。これぐらいのハラスメント…

BLisp言語のドキュメントを作成しcrates.ioに登録してみた

BLispはRust言語で実装されたベアメタル環境で動作するシェル、API定義言語として現在研究・開発をすすめています。動機は2つあります。1つが、せっかく静的型付けで型安全なRust言語を使っているのだから、Rustと協調動作するスクリプト言語でも静的型付け…

【読書メモ】哲学とは何か、ゴルギアス・テーゼ

いま、「哲学とは何か」という本を読んでいるのだが、この前半部分に出てくるゴルギアス・テーゼについて理解が難しかったので、自分なりの解釈をメモしておこうと思う。実は、「哲学とは何か」はまだ前半部分しか読んでいないが、ゴルギアス・テーゼを理解…

2020年まとめ

コロナで大変だった。以上。 今年はずっと文章を書いていた気がする。ただそれも終盤に差し掛かってきているため、来年の頭ぐらいには終わらせたい。特に、コロナで自粛しており自宅待機が多かったため、時間的な余裕が取れて文章が進んだのが大きかった。ま…

大学でRustを教えた話

このブログ記事は、Advent Calender 2020, Rust 3、23日目の記事となります。自分は現在大学で教員をしていまして、セキュリティ系の研究室に所属しています。現在はセキュリティの講義を担当しており、そこでRust言語を教えているため、その内容を紹介しよ…

Rust言語によるOSと言語処理系ができるまで

タイムライン Rust言語で簡単なファームウェア、OS、言語処理系を作成したが、そのタイムラインはだいたい以下のようなものであった。もともとは、Rustでどの程度できるか検証するために始めた実装で、OSを作る予定ではなかったのだが、やっていくうちに面白…

Rust言語でファームウェア、OS、言語処理系を実装して、CSS 2020で発表した

先月、国内最大のセキュリティ研究会であるコンピュータセキュリティシンポジウム 2020(CSS 2020)が開催され、そこで、Rust言語を用いてファームウェア、OS、言語処理系を設計・実装した話を発表しました。本来、CSS 2020はリアルで開催されるはずでしたが…

SFはいいぞ

最近、プログラミング系の本しか読んでおらず、少し息を抜きたいと思いSF本を買って読んだりしていた。SF本と言っても、気軽に読める短編集である。SF短編集といえば、小学生の頃に星新一をよく読んでいたのを思い出すが、今回読んだのは複数著者の作品が収…

Bloodstained: Ritual of the Nightをクリアした

悪魔城ドラキュラの精神的続編 悪魔城ドラキュラといえば、ファミコン時代からある横スクロール型のアクションゲームである。もともともはアーケードゲームだったらしいが、そのころは子供だったので不良のたまり場になどいけるはずもなく、ファミコンで悪魔…

Coqに入門した感想

最近、定理証明支援のCoqを入門している。というのは、以前の職場にいたときの職場でもCoqをやっている先輩がいて、今回の職場でも定理証明支援系を使っている同僚がいて、しかも最近自分はプログラミング言語実装をやっているためか、Coqや依存型について聞…

自粛期間について

コロナウィルスはコロナ禍とも形容されるように、世界中で多くの死者を出してしまい、大変痛ましい結果になっている。日本は比較的に清潔意識が高く欧米程ひどいことにはなっていないようなので、不幸中の幸いではあるだろう。 自粛期間もあり外に出られない…