【読書】三体を読んだぞ!

三体問題は物理学で有名な問題で、2つの物体が相互作用する場合はその挙動は解析的に解くことが出来るが、これが3つ以上となると解析的に解くことが出来ないという問題である。三体は、この三体問題をテーマとした中国発のSFで、以前からその噂は耳にしていた。しかし、分厚い書籍が5冊もあるので読むのを躊躇していたが、気がつくと2ヶ月弱であっという間に5冊すべて読み終えてしまった!三体、恐ろしい子

三体Ⅱ 黒暗森林(上)
三体Ⅱ 黒暗森林(下)
三体Ⅲ 死神永生 下
三体Ⅲ 死神永生 上

翻訳が良い

三体のまず素晴らしいのは、翻訳が大変素晴らしくて非常になめらかに読めることだと思う。個人的な経験上、海外作品は翻訳がどうもあわなくて読み通せないことがしばしばあったが、三体に限って言うとそう言ったことはなくてすらすら読めた。まるで日本人が書いたような読み口である。

ただ、やはり海外作品なので、はじめは人名を覚えるのがつらかった。たとえば、葉文潔はイェ・ウェンジェと読むのだが、これを覚えるのが本当に難儀していた。しかし、葉文潔をヨウ・ブンケツと音読みで覚えることで解決した。本書の中では葉文潔(イェ・ウェンジェ)と読み方が降ってあるが、私のように人名を覚えるのは苦手な人は、本格的な読み方は諦めて音読みで覚えておくと読みやすいのではと思う。

三体III 死神永生が好き

三体は全部で5巻あり、そのうち三体、三体II 暗黒森林(上)、三体II 暗黒森林(下)の3冊で1つのストーリー、三体III 死神永生(上)、三体III 死神永生(下)の2冊でもう1つのストーリーという構成となっている。中国では三体II 暗黒森林の評判が良いようだけれど、個人的には死神永生の方が好きだ。

もちろん暗黒森林もとても面白くて、我々の軍隊があれであれされるところなどは本当に面白くて、夜も眠れず気がついたら明け方になっていました。おかげさまで次の日が本当につらくて、ひどい目に遭った。おのれ。

暗黒森林はどちらかというと、我々現代人でも共感できそうなストーリー仕立てになっているのに対して、死神永生は色々なところを超越してしまっていて涅槃にたどり着いてしまったような感覚がある。そんなストーリーなので、まったく良くわからない人もいるかもしれないが、個人的にはこのSF感丸出しの展開は大変好みで、生とは、死とは、宇宙とはなにかみたいなことを考えながらやっぱり夜も寝られない日々を送っていた。○○に落下し続ける科学者の話だったり、空間がアレするような話だったり、本当に面白くてこれはとんでもないものを読んでしまったという感じがある。宇宙の話が好きな人は是非読んで欲しいSF作品だ。

いやあ、SFって本当に良いですね。