【読書メモ】最後の資本主義
ロバート・B・ライシュというとクリントン政権時代の労働長官であり、現在はカリフォルニア大学バークレー校 ゴールドマン公共政策大学院の教授である。
- 作者: ロバート・B.ライシュ,Robert B. Reich,雨宮寛,今井章子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: 単行本
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ルールを決める裕福層
本書はトランプ政権誕生前に書かれた経済書であるが、その内容はトランプ政権誕生を示唆している物となっている。よく、小さな政府(自由市場主義)か大きな政府かの対立があるが、本書はそのような二元論ではなく、今の市場ルールが誰の手によって決められているかを明確にすべきと述べている。
従来、アメリカの政治は2大政党制として民主党と共和党が台頭している。大雑把に分けると、民主党が労働者のための政党であり、共和党がウォール街や石油産業などのいわゆる資本家と呼ばれる層の政党である。しかし、最近ではウォール街や巨大産業のマネーが民主党にも入り込み、労働者のための政党はどこにもなくなってしまったのが少し前のアメリカであった。つまり、一部の裕福層がルールを彼らを利するように変えてきてしまっていると指摘している。本書の大部分は裕福層がどのようにしてルールを変えてきたかを説明している。
処罰されないウォール街の面々
2008年9月15日、アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが、資産6,910億ドル以上とそれをはるかに上回る負債を抱えて経営破綻した。これを契機に世界規模の金融危機が起こったのがリーマン・ショックと言われる金融危機である。リーマン・ブラザーズは、財務的に弱い体質であることを意図的に隠蔽しており、裁判所が指名した検査官は、これを「注意深く仕組まれた詐欺である」と詳述したが、リーマンの役員経験者で刑事訴追された者はいない。
当時、明らかに犯罪に見えるような行為であっても、大きすぎて潰せないとして、逆に資金投入されて救済されていくのは傍目に見ても大変奇妙な光景であったのを覚えている。このリーマン・ショックは本書で述べられているほんの一例で、このような例は枚挙に暇がない。あからさまに恣意的な采配や不公正が横行したために、多くの人が市場や政府に不信感を持ち、経済ゲームはいかさまだと思うようになった。
いかさまゲーム
自分がいかさまなゲームの犠牲になっていると感じる人々は、全体に損をさせることによってシステムを打倒しようと考える場合が多いそうだ。本書では、次のようなゲームを説明している。
- 二人の学生がいて、1,000ドルを二人で分配することにする。
- 一人の学生は1,000ドルの取り分、つまり二人での分配方法を決める。
- もう一方の学生は、2. で決めた分配で良いか決める。ただし、事前に分配方法は知らされない。
- 3. でOKが出たら2. で決めた分配方法で分配し、NGであれば1,000ドルは没収され二人に分配されない。
このようなゲームを設定した場合、2がいかさまして、より多く取り分を取ると考えてしまうと、3. の学生はNGを出すことが多いそうだ。OKを出せば自分にも多少は取り分があるはずなのにである。
これはトランプ政権の誕生理由を思わされるような結果ではないだろうか。実のところ、誰もトランプには期待しておらず、いかさまゲームを打破しようとしているだけかもしれない。それに、今の経済は信用を基に成り立っているのに、その前提である信用が崩れ落ちれば、資本主義経済など成立するはずもない。
反ウォール街とバーニー・サンダース議員
しかし、ここ最近ではまたその風向きも変わってきているようだ。バーニー・サンダース議員といえば、民主社会主義者を自称する政治家であり、労働者側の政治家であると言える。そのサンダース議員周辺の動きが最近活発になってきているので、次のアメリカ大統領選挙では、前回とは違った様相を示すかもしれない。しかし、サンダース議員もだいぶ高齢なのでどうなるかはわからないが。
諸君 私は広角が好きだ
諸君、私は広角が好きである。パノラマも大好きだ。というわけで、これまで撮った広角、パノラマ写真をいくつか載せてみる。
オーストラリアのウィーンにある時計塔から
医王山から富山の砺波平野
石川県の獅子吼高原から
奥能登
ハワイのハナウマ湾
ハワイのダイヤモンドヘッドからワイキキを望む
ハワイのワイキキ夜景
【読書メモ】Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
現代日本では、小・中学校は義務教育であるため学習を行ったことのないという人はほぼ居ないだろう。学習するということはつまり、数学や国語などについての知識や技術などを習得するということである。では、学習方法について学習したことのある人は、どの程度居るだろうか?
私達は、小・中学校、高校、そして大学、会社などで様々なことを学ぶが、より効率的な学習方法についてはほとんど知らないのではないだろうか。「Learn Better」は、そのタイトルの通り、よりよく学ぶための様々な方法について解説した書籍である。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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誤った学習方法
本書では、いくつもの陥りがちな誤った方法についてを紹介している。例えば、以下のような方法は、非常に効率の悪い方法であると本書では述べている。
- 外国語で歴史や文学を数学を教えたりする
- 漠然とした願望を立てる
外国語で歴史や文学や数学を教えると、脳の短期記憶を使い果たしてしまい、どちらも身につかないし、『うまくなりたい』などの漠然とした願望を立ててもだめである。しかしながら、私達はしばしばこのような方法を取りがちである。
学習するためには脳の短期記憶を利用することが重要である。しかしながら、外国語で教えると、外国語と、教える対象、両方の短期記憶が必要なため、短期記憶の容量がオーバーしてしまう。私達しばしば、短期記憶の容量を過大評価してしまいがちである。
また、『うまくなりたい』というような漠然とした目標も学習のためにはならない。学習するためには、例えば、毎日○時間取り組むなどといった、達成しやすいベンチマークが重要だと述べている。そうすることで、自己効力感、自分は達成できるはずだという感覚を得られ本当の『うまくなりたい』という目標を達成することが出来る。
本書では、このような学習についての陥りがちな誤った例を多くあげ、よりよい方法についても解説している。そのどれもが面白い内容であった。例えば他には、教科書にマーカーを塗るのは学習に意味はない、TEDトークは学習するのに益よりも害のほうが大きいと述べている。もしその理由についても興味があれば本書を手にとってほしい。
教師の役割
本書では、学習時において教師、教師の必要性も説いている。まず初学者が陥りがちなのは、何を勉強すべきかがわからないということであると言う。その道の専門家であれば、何から学ぶかを示すことが出来るが、学習を始めたばかりの入門者がそれがわからないため、それらを示すことの出来る教師が重要であるそうだ。
また、フィードバックも教師の重要な役割だ。学習時において、何を向上させるべきかは学習者自身ではわかりづらい。教師は、学習者に適切にフィードバックする役割を担う。特に、教師と学習者のマンツーマンレッスンは非常に効果的であると述べている。
最近、情報通信技術やインターネット、ウェブの発達により情報取得が非常に容易になった。そのため、大学などはもう必要のないとの言説が聞かれるようになった。たしかに、情報という観点からだけ見ると、すでに情報はウェブ上にあふれているため、大学は必要ないかもしれない。実際、自分自身も大学などはもう必要ないかもしれないと考えたときもあった。しかし、本書を読むと、どうも、教師の役割は知識を授けるということではなく、学習のサポートを行うために存在するようで、まだ大学は必要であるのかもしれない。しかし、英語学習などでは、学習用アプリケーションがフィードバックを行ってくれるため、習得方法が体系化されているものについては、話が変わってくるかもしれないとも感じた。
臨界期説
臨界期という考え方がある。ある程度の年齢を重ねると、物事を学習することができなくなるという考え方である。プログラマ35歳限界説などが臨界期説の一つと言えるだろう。しかし、本書では臨界期説は否定されている。
例えば、伊能忠敬は50歳のときに、19最年下の当時31歳であった高橋至時に弟子入りし、天体観測や測量の勉強を行ったとされる。また、葛飾北斎が波を書き始めたのは30代の頃で、富嶽三十六景・神奈川沖浪裏として完成したのが北斎が72歳の頃であるそうだ。
年齢を理由に学ぶことをやめてしまっている人が多くいるが、学習する能力は失われていないのに辞めてしまうのは、それは大変もったいないことなのだろう。
- 作者: 大久保純一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/08/24
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学習は人間の基本的欲求
人間は考える葦であるとはパスカルの言葉である。人は、新しいものの探求を行うと快感を与えるドーパミンが放出され快感を覚える。つまり、学習は、食事、睡眠、セックスと同じ欲求であると本書は述べている。強制されて行う勉強は退屈すぎるが、新しいことを学ぶのは楽しいのだ。本書は学習について知る上で大変おすすめなのでぜひ読んでほしい一冊である。
年収750万円で幸福度頭打ち説についての考察
というわけで年収750万になろう pic.twitter.com/grod39zSCB
— 新米先達mayan (@mayan1969) 2018年8月13日
年収750万円で幸福度が頭打ちになるという説がある。これは、ファスト&スローの下巻、37章「経験する自己」の幸福感、で説明されている文章が元になっていると予想している。当該箇所を引用すると以下のように記載されている。
もうそれ以上は幸福感を味わえないという所得の閾値は、物価の高い地域では、年間世帯所得ベースで約七万五〇〇〇ドルだった。この閾値を超えると、所得に伴う幸福感の増え方は、平均してなんとゼロになる。所得が多ければ多いほど、好きなところへ旅行に行けるしオペラも見られるなど多くの楽しみを買えるうえ、生活環境も改善できることはまちがいないのだから、これはじつに驚くべき結果と言える。
ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
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つまり、このツイート画像では、7万5千ドルを750万円と換算しているのだろう。その換算レートが正しいかどうかはおいておいて、幸福度にはあるていど、頭打ちがあるように見て取れる。
幸福度の測り方
では、そもそも、幸福とは一体何なのだろうか。U指数という考え方がある。U指数とは、不快な状態で過ごす時間が全体に占める割合のことであり、U指数が少ないほど幸福であると考えることができる。U指数以外にも、もっと複数の段階に幸福度を区切って調査する方法もある。
このような調査方法から考えると、たしかに、ある程度の所得があれば幸福度は頭打ちしそうではある。
幸福とは何か
たしかに、U指数のようなもので幸福度を測ることが出来るような気もする。しかし、そもそも、幸福度とはU指数で表せるものなのだろうか。この点について、「幸福はなぜ哲学の問題になるのか」という書籍で議論されている。大変おすすめなのでぜひ読んでほしい。
以下、この本の説明の一部を拝借して、年収750万円説を考察してみよう。
上昇と充足
ある聡明な男がいたとする。その男は、ある日事故で脳に障害を負って幼児レベルまで知能が退行してしまった。しかし、その後は、周りの人に支えられ幸福に生きたとする。さて、私達はこの男のことを幸福だと考えるだろうか。
U指数のような指標で測ると、この男は幸福極まりないということになる。しかし、私達は普通この男のことを幸福であるとは考えないだろう。その理由は、上昇と充足という観点から説明できる。
上昇とは、地位の向上や、知識の獲得、所得の向上が幸福であると見なすことであり、充足とは現状に満足することこそが幸福であるとすることである。上昇という視点から充足を見ると、充足は現状に甘えており、人間が成長する機会を捨て去っていると批判できる。一方、充足という視点から上昇を見ると、上昇はどこまでいってもきりがなく永遠に幸福にはなれないと批判できる。
つまり、事故にあってしまった聡明な男は、主観的には充足しているかもしれないが、人間として成長する機会を失ってしまってしまっており、その意味では不幸であると捉えることも出来る。年収750万円説も同じであり、ある程度まで行くと、U指数のような値は頭打ちするかもしれないが、上昇という点から見ると際限がないと考えることも出来る。
幸せについて考える時は、上昇にとりつかれた人は幸せなのだろうかという点も考えなければならないし、人間が成長を諦めるのは幸せなのかという点も考えなければならないのだろう。
お金がないのは不幸
書籍「幸福はなぜ哲学の問題になるのか」では、お金が無いと不幸になる確率は高いと述べている。これを定式化すると以下のようになる。
¬ お金がある ⇒ ¬ 幸福
これの対偶を取ると、以下のようになる。
幸福 ⇒ お金がある
つまり、幸福な人ならば、ある程度お金を持っているということになる。しかし、私達はしばしば、以下のように考えてしまう。
お金がある ⇒ 幸福
これは正しくない。お金があっても不幸である人はいるだろう。愛する人を失って、大量の保険金が手に入った人は幸福だろうかということである。お金と幸福の関係性を誤認してはいけない。
面白い学術読み物、自分用まとめ
自分用メモ。多すぎるので全部は網羅していない上に分類は適当。あとで読む。
物理
ファインマンの有名な書籍。ファインマン物理学も挙がっていたが、あれは読み物じゃなくて教科書なので割愛。
- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
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- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
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- 作者: ニール・F.カミンズ,竹内均,Neil F. Comins,増田まもる
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 1999/07/01
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- 作者: ブライアングリーン,Brian Greene,林一,林大
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2001/12/01
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- 作者: マーティンゴールドスタイン,インゲ・F.ゴールドスタイン,Martin Goldstein,Inge F. Goldstein,米沢富美子,米沢ルミ子,森弘之
- 出版社/メーカー: 東京電機大学出版局
- 発売日: 2003/05
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量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)
- 作者: マンジットクマール,Manjit Kumar,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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数学
100年の難問はなぜ解けたのかはポアンカレ予想を解いたペレルマンに関する本なんだけど、面白いのでおすすめ。理論宇宙の話とかもある。
100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)
- 作者: 春日真人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05/28
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複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)
- 作者: M.ミッチェルワールドロップ,Mitchell M. Waldrop,田中三彦,遠山峻征
- 出版社/メーカー: 新潮社
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神は数学者か?―ー数学の不可思議な歴史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫〈数理を愉しむ〉シリーズ)
- 作者: マリオリヴィオ,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 早川書房
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- 作者: イアンスチュアート,Ian Stewart,伊藤文英
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/11
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ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)
- 作者: ジョージ・G.スピーロ,George G. Szpiro,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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生物
ファーブル昆虫記、分量が多すぎてきつい。
文明を変えた植物たち コロンブスが遺した種子 (NHKブックス)
- 作者: 酒井伸雄
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ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: スティーヴン・ジェイグールド,Stephen Jay Gould,渡辺政隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
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利己的な遺伝子は中学ぐらいのときに読んだ記憶があるなあ。
- 作者: ウィリアムソウルゼンバーグ,William Stolzenburg,野中香方子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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- 作者: ロバートダーントン,Robert Darnton,海保眞夫,鷲見洋一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/10/16
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- 作者: アンドリュー・パーカー,渡辺政隆,今西康子
- 出版社/メーカー: 草思社
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恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた (文春文庫)
- 作者: ピーター・D.ウォード,Peter D. Ward,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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- 作者: ニックレーン,Nick Lane,西田睦,遠藤圭子
- 出版社/メーカー: 東海大学出版会
- 発売日: 2006/03/01
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- 作者: アンドルー・H.ノール,Andrew H. Knoll,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2005/07/01
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進化論裁判―モンキー・ビジネス (ナチュラル・ヒストリー選書)
- 作者: ナイルズエルドリッジ,渡辺政隆
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- 作者: コンラートローレンツ,Konrad Lorenz,日高敏隆
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- 作者: レベッカコスタ,Rebecca Costa,藤井留美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/03
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- 作者: ユクスキュル,クリサート,Jakob von Uexk¨ull,日高敏隆,羽田節子
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経済学・行動経済学
超予測力は人は未来を予測できるのかについて科学した本。大変おもしろい。
超予測力―ー不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: フィリップ・E・テトロック,ダン・ガードナー,土方奈美
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- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
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予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
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行動経済学はとりあえず、ファスト&スロー読んどけって感じ。面白いけれど長い。面白いけれど。
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
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ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
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- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
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戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
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影響力の武器は第二版を読んだけれど、面白い。広告や政治などのやり口がわかる。
医学・心理学
医学探偵ジョン・スノウ―コレラとブロード・ストリートの井戸の謎
- 作者: サンドラヘンペル,Sandra Hempel,杉森裕樹,大神英一,山口勝正
- 出版社/メーカー: 日本評論社
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あなたの知らない脳──意識は傍観者である (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: デイヴィッド・イーグルマン,大田直子
- 出版社/メーカー: 早川書房
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進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
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- 作者: V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー,山下 篤子
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- 作者: ニコラスハンフリー,Nicholas Humphrey,垂水雄二
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- 作者: デーヴグロスマン,Dave Grossman,安原和見
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く
- 作者: 松本敏治
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- 作者: ジェームス.D・ワトソン,江上不二夫,中村桂子
- 出版社/メーカー: 講談社
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社会
世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ (講談社現代新書)
- 作者: 辻隆太朗
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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
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文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 草思社
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- 作者: リュシアンフェーヴル,アンリ=ジャンマルタン,Lucien Febvre,Henri‐Jean Martin,関根素子,宮下志朗,長谷川輝夫,月村辰雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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- 作者: リュシアンフェーヴル,アンリ=ジャンマルタン,Lucien Febvre,Henri‐Jean Martin,関根素子,宮下志朗,長谷川輝夫,月村辰雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マーヴィンハリス,Marvin Harris,鈴木洋一
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歴史を変えた6つの飲物 ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コーラが語る もうひとつの世界史
- 作者: トムスタンデージ,新井崇嗣
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- 作者: フィリップ・シャルリエ,吉田春美
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ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史
- 作者: デヴィッド・クリスチャン,シンシア・ストークス・ブラウン,クレイグ・ベンジャミン,長沼毅,石井克弥,竹田純子,中川泉
- 出版社/メーカー: 明石書店
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- 作者: ジョンエリス,John Ellis,越智道雄
- 出版社/メーカー: 平凡社
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- 作者: トム・スタンデージ,服部桂
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
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- 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,佐々木昭夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 文庫
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- 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,佐々木昭夫
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- 作者: エドワード・W.サイード,Edward W. Said,今沢紀子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1993/06/01
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- 作者: エドワード・W.サイード,Edward W. Said,今沢紀子
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- 作者: ジュリアンジェインズ,Julian Jaynes,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
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- 作者: エーリッヒ・フロム,日高六郎
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歴史はべき乗則で動くでは、なぜ地震予知がうまくいかないかを砂山実験で説明していて、その部分だけでも読む価値あり。地震予知は眉唾。
歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: マーク・ブキャナン,Mark Buchanan,水谷淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
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人はなぜ異星人(エイリアン)を追い求めるのか―地球外生命体探索の50年
- 作者: ジョエル・アカンバーク,村上和久,皆神龍太郎
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2003/08
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- 作者: アルバート・ラズロ・バラバシ,青木薫
- 出版社/メーカー: NHK出版
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黒死病―ペストの中世史 (INSIDE HISTORIES)
- 作者: ジョンケリー,John Kelly,野中邦子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/11/01
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化学
哲学・論理学
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
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- 作者: ニコラスハンフリー,Nicholas Humphrey,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/11
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- 作者: スラヴォイ・ジジェク,鈴木晶
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/01/30
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哲学ファンタジー:パズル・パラドックス・ロジック (ちくま学芸文庫)
- 作者: レイモンド・スマリヤン,高橋昌一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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ソフィーの世界は中学頃に読んだけれど、全く理解できなかった。
コンピュータ科学
- 作者: スティーブン・レビー,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2002/02/16
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コンピュータは数学者になれるのかは面白いのだけれど、いかんせん難しい。しっかり読まないといけない。
コンピュータは数学者になれるのか? -数学基礎論から証明とプログラムの理論へ-
- 作者: 照井一成
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2015/02/24
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- 作者: ジェイムズグリック,James Gleick,楡井浩一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/01/01
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暗号解読はめちゃくちゃ面白い。このせいで一時期、暗号学者を目指した。しかし、やってみたら暗号解読の研究はめっちゃ退屈であった。いまは、ネットワークとサイバーセキュリティをやっているので遠からずという感じ。
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 文庫
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 文庫
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地学
スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ガブリエルウォーカー,川上紳一,Gabrielle Walker,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 文庫
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- 作者: ガブリエルウォーカー,Gabrielle Walker,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/01
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日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス)
- 作者: 山崎晴雄,久保純子
- 出版社/メーカー: 講談社
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チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る (岩波現代文庫)
- 作者: 大河内直彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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言語学
- 作者: スティーブンピンカー,Steven Pinker,椋田直子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/06/01
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- 作者: スティーブンピンカー,Steven Pinker,椋田直子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/07/01
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音楽
響きの科学―名曲の秘密から絶対音感まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ジョンパウエル,John Powell,小野木明恵
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/08/05
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美術・デザイン
- 作者: エルヴィンパノフスキー,Erwin Panofsky,浅野徹,塚田孝雄,福部信敏,阿天坊耀,永沢峻
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2002/11/01
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誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
- 作者: D. A.ノーマン,岡本明,安村通晃,伊賀聡一郎,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
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科学一般
SFで使われている技術が本当に実現可能化について、科学的に考察した本。近未来的な話もありめっちゃ面白い。
- 作者: ミチオカク,Michio Kaku,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: 単行本
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- 作者: ピーター・L.バーンスタイン,Peter L. Bernstein,青山護
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 1998/08
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- 作者: Harold McGee,香西みどり,北山薫,北山雅彦
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2008/10/09
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世界でもっとも美しい10の科学もなかなか面白かった。科学史がわかる感じ。
- 作者: ロバート・P・クリース,青木薫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
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新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる (ブルーバックス)
- 作者: 臼田孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/18
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【読書メモ】アンダースタンディング コンピュテーション
チューリング・マシンとはイギリスの数学者チューリングが考案した計算モデルである。チューリングとは第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍の暗号Enigmaを解読した人物である。チューリングは当時、、今で言うコンピュータの原型となる機械を実装して、Enigmaの解読を行ったそうだ。チューリングの軌跡については、イミテーション・ゲームという映画で描かれており、内容もなかなかおもしろいのでおすすめである。
計算モデルとRuby実装
計算モデルとは、その名の通り計算機の動きを数学的に表したものとなる。現在の計算機は、ノイマン型コンピュータと呼ばれていて、アメリカの数学者・物理学者のフォン・ノイマンが考案した構成をとっている。ノイマン型コンピュータは、コンピュータは、CPU、メモリなどの外部記憶装置、それらをつなぐバスによって構成されている。
本書は、ノイマン型コンピュータと言ったハードウェア的な話ではなく、どちらかというと、数学的なモデルにもとづいた理論の解説と実装を行っている。計算モデルには、オートマトン、プッシュダウン・オートマトン、チューリング・マシンなどいくつかあるが、本書ではこれらを実際にRubyで実装して解説しているのが、他の書籍と一線を画する。
計算モデルについて考えることは、計算というものの本質をとらえるのに役に立つ。例えば、ある問題Xがあって、問題Xが計算機で解けるということはどういう事なのだろうか?これは、ある計算モデルで、その問題Xを解釈できるかということを考えてみると理解が深まる。たとえば、オートマトンよりも、非決定性プッシュダウン・オートマトンの方が扱える解ける問題が多く、非決定性プッシュダウン・オートマトンよりも、チューリング・マシンの方が扱える問題が多い。これを分類したものが、チョムスキー階層と呼ばれている。チョムスキー階層のことまで話すと長くなるので、詳細はWikipedia等を参考してほしい。
アンダースタンディング コンピュテーション ―単純な機械から不可能なプログラムまで
- 作者: Tom Stuart,笹田耕一,笹井崇司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/09/18
- メディア: 大型本
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λ計算とChurch数
RubyやPythonと言った、一般的なプログラミング言語は、チューリング完全であると言われる。チューリング完全とはすなわち、チューリング・マシンと計算能力が等価であると言うことを意味している。チューリング・マシンは計算モデルの一つであるが、チューリング・マシンと等価な計算モデルに、λ計算と呼ばれるものがある。
λ計算とは、1930年代にイギリスの数学者であるチャーチが考案した計算モデルであり、その計算能力はチューリング・マシンと等価であることが、チャーチ自身によって示されている。λ計算は、関数型プログラミング言語とよばれるHaskellやMLの基礎となっているモデルである。
E := ID
| (λ ID. E)
| (E E)
ここで、IDはxやyなどの識別子のことである。つまり、
((λx. ((x x) x)) (λy. y))
のように書くのがλ計算である。たったこれだけの表記法ではあるが、計算能力がチューリング・マシンと等価である。しかし、これだけの規則では四則演算はおろか、数値すら表せないように思える。ところが、実際には、数値と四則演算をλ計算にエンコードする事ができる。λ計算によって表された数をChurch数と呼ぶが、本書では、このChurch数を実際にRubyで実装している。Church数はなかなかに衒学的で理解が難しいが、こうしてRubyで実装して解説してくれるのは大変ありがたい。
また、さらに踏み込んだ内容として、停止性問題についても解説している。停止性問題とは、ある問題が計算できるとはどういうことかについて、停止性という観点から論ずるものである。停止性とは、ある問題を解くアルゴリズムがあったときに、そのアルゴリズムが最終的に停止するかどうかという事を示している。
計算の本質についてRuby実装を示しながら提示する本書は、大変エキサイティングでファンタスティックであった。難易度は若干高めだが、数学的な専門書よりは断然わかりやすいので、腕に覚えのあるプログラマは是非挑戦してみてほしい。最後に、本書の雰囲気を掴むために、本書で掲載されているFizzBuzzのλ計算プラグラム一部を見てみよう。
この見開きページだけを見ても、本書の凄さが伝わるだろう。美しい。
【読書メモ】独習 論理構造
AならばBであり、かつBならばCであるならば、AならばCである。このように演繹的に推論は論理と呼ばれ、公理から出発して、いくつもの命題を導き出すことが出来る。この論理を形式的にとらえた学問が形式論理学であり、本書は論理学の入門書となる。
論理学の歴史は古く、プラトン、アリストテレスの時代には論理学の基礎が出来つつあったそうだ。
命題論理から自動推論まで
本書は、命題論理で自然演繹法を学び、一階述語論理の形式的証明をまず学ぶ。しかしながら、高階述語論理や、ゲーデルの不完全性定理などは触れてはいるものの、詳細には述べられていないので、これらが必要な人にとっては別の書籍が必要だろう。
さらに、形式的証明を学んだ後に、自動推論手法について学ぶ。自動推論とは、いわゆるProlog的な推論手法のことであり、命題を入力して、それが正しいかを論理的に検査することが出来るようになる方法である。たとえば、AはBの親であり、BはCの親である、としたとき、AはCの祖先であるか?という問いにコンピュータが答えてくれる。本書を習得すれば、Prologのエンジン部分は実装できるようになると思われる。
演繹的手法と発見的手法
論理をもとにした手法は、演繹的推論と呼ばれる。この演繹的手法は、人工知能の一分野とされており、第5世代コンピュータ時代の1980年代に活発に研究開発されたようである。
一方、現在の人工知能といえば、深層学習などの発見的推論が主流となっている。発見的手法は、推論するために必要な条件がすべて揃っていなくても、ある程度の精度で推論してくれるという利点がある。しかし、論理的に誤りであっても、推論してしまうという問題点もある。
人間が物事を推論する時、発見的手法と、演繹的手法、どちらもバランスよく利用しているため、現在の深層学習一辺倒の人工知能ではうまくいかないだろう。現在、発見的手法と演繹的手法を組み合わせた研究も行われているようなので、そちらに期待である。
演習問題と解答があり便利
本書は、章の終わりに演習問題があり、独学に向いている。演習問題の解答は、ウェブ上で取得できるので、解けない問題があったら、ちらっと答えを見てから解答を考えるということも出来る。論理学は一歩一歩積んでいけば、誰でも理解できるので、焦らずに頭から地道に問題を解いていくのが良いだろう。
誤字脱字が多い
残念ながら、本書は誤字脱字が多い。一応、本書のウェブ上にも正誤表はあるのだが、全く網羅はされていないようだった。