読書

【読書】『同志少女よ、敵を撃て』を読んだぞ!

『同志少女よ、敵を撃て』は、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前に発売された書籍で、発売当初から個人的に注目していた。発売されたときは、積み本が山のようにあったので見送っていたのだが、情勢も情勢だけに読んでみることにしたが、非常に面白かった。…

【読書】三体を読んだぞ!

三体問題は物理学で有名な問題で、2つの物体が相互作用する場合はその挙動は解析的に解くことが出来るが、これが3つ以上となると解析的に解くことが出来ないという問題である。三体は、この三体問題をテーマとした中国発のSFで、以前からその噂は耳にしてい…

【読書メモ】廃園の天使IとIIを読んだ

早川書房のセールがKidleストアでやっていたため、Amazonの欲しいものリストに入れたままずっと買っていなかった、『グラン・ヴァカンス 廃園の天使 Ⅰ』と『ラギッド・ガール 廃園の天使 Ⅱ』を買って読んでみた。ずっと欲しいものリストに入っていたため、何…

【読書メモ】ビット・プレイヤーを読んだ感想

グレッグ・イーガン「ビット・プレイヤー」を読んだ。グレッグ・イーガンはSFの巨匠らしく、いろいろなジャンルのSFを書いているらしい。最近、ちまちまと短編SFを読んでいるが、本作はシンギュラリティを超えたストーリーの作品が多かった。シンギュラリテ…

【読書メモ】哲学とは何か、ゴルギアス・テーゼ

いま、「哲学とは何か」という本を読んでいるのだが、この前半部分に出てくるゴルギアス・テーゼについて理解が難しかったので、自分なりの解釈をメモしておこうと思う。実は、「哲学とは何か」はまだ前半部分しか読んでいないが、ゴルギアス・テーゼを理解…

SFはいいぞ

最近、プログラミング系の本しか読んでおらず、少し息を抜きたいと思いSF本を買って読んだりしていた。SF本と言っても、気軽に読める短編集である。SF短編集といえば、小学生の頃に星新一をよく読んでいたのを思い出すが、今回読んだのは複数著者の作品が収…

長門の存在証明

何かが存在するかどうかということを突き詰めて考えていくと、何も存在しないような結論に思い至ってしまう。例えば、いまこれを読んでいるあなたは、実は脳みそが取り出されてビーカーに保存されている状態にあり、その脳みそに刺された電極から刺激を受け…

【読書メモ】操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか

どくさいスイッチ ドラえもんの秘密道具の一つにどくさいスイッチという道具があるが、このスイッチを使うとどんな命令でも叶えることができる。では、もしも現実にどくさいスイッチのようなものがあったとして、そのボタンを押すことが出来たとしたら、我々…

【読書メモ】僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた

コカインは現在では麻薬として禁止されている薬物の一種なのは周知の事実だと思う。麻薬が問題で禁止されている原因はその依存性の強さにある。しかし、このコカインは19世紀から20世紀のはじめには普通に市販されていたのもまた事実である。コカ・コーラの…

【読書メモ】天才とは何か

実は、世の中には天才と呼ばれる人がたくさんいるだろう。クラスの中の天才や、会社の中の天才などである。今回読んだ『天才とは何か』という本は、そういった巷にありふれている天才ではなくて、後世に重大な功績を残した、例えばアインシュタインやバッハ…

不完全性定理の理解不完全性

大阪大学に赴任してから半年たったぐらいの2019年2月頃に、離散数学と計算の理論という題目の講義を4月から担当することに決まった。その理由は、その講義を元々担当していた当時研究室の准教授だった先生が、他大学の教授へとご栄転されることが決まったか…

【読書メモ】RE:THINK: 答えは過去にある

過去のアイデアを再考する 新しいアイデアを生み出すことが技術や社会に革新をもたらすと私達は思うかもしれない。しかし、多くの場合、新規アイデアや新製品などは、過去に誰かが考案したものである。「RE:THINK: 答えは過去にある」ではそのような事実を指…

【読書メモ】最後の資本主義

ロバート・B・ライシュというとクリントン政権時代の労働長官であり、現在はカリフォルニア大学バークレー校 ゴールドマン公共政策大学院の教授である。 最後の資本主義 作者: ロバート・B.ライシュ,Robert B. Reich,雨宮寛,今井章子 出版社/メーカー: 東洋…

【読書メモ】Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

現代日本では、小・中学校は義務教育であるため学習を行ったことのないという人はほぼ居ないだろう。学習するということはつまり、数学や国語などについての知識や技術などを習得するということである。では、学習方法について学習したことのある人は、どの…

【読書メモ】アンダースタンディング コンピュテーション

チューリング・マシンとはイギリスの数学者チューリングが考案した計算モデルである。チューリングとは第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍の暗号Enigmaを解読した人物である。チューリングは当時、、今で言うコンピュータの原型となる機械を実装して、Enigm…

【読書メモ】独習 論理構造

AならばBであり、かつBならばCであるならば、AならばCである。このように演繹的に推論は論理と呼ばれ、公理から出発して、いくつもの命題を導き出すことが出来る。この論理を形式的にとらえた学問が形式論理学であり、本書は論理学の入門書となる。 論理学の…

【読書メモ】FUTURE INTELLIGENCE 〜これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣〜

FUTURE INTELLIGENCEという本を読んだので紹介したい。本書のタイトルはよくある自己啓発本のように陳腐なタイトルだと思っていたが、原題は“Wired to Create: Unraveling the Mysteries of the Creative Mind”となっており、クリエイティブ思考の謎を解き明…

【読書メモ】哲学がわかる 自由意志

本書は哲学の自由意志について述べたものとなる。平易に書かれているのだとは思うが、題材が題材だけに難しいと言わざるを得ない。しかし、自由意志と道徳、責任は密接に関わっており、物事の責任をどう捉えるべきかを考えさせられる本だった。 哲学がわかる…

【読書メモ】哲学がわかる 因果性

因果性とは何かという問い 因果律はこの世を支配する根源的な法則である。「サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か」という本では、因果律を破ることは、不可能レベルIII、すなわち既知の物理法則に反するレベルの根源的な問題であるとしている。本…

ドーナツの穴だけ残して食べると何が残るか

ドーナツの穴問題 ドーナツには穴がある。これはみんな納得することだと思う。 ドーナツは、卵、小麦粉、油、砂糖などを原材料として作られている。 では、ドーナツの穴を食べないように、注意深く、卵、小麦粉、油、砂糖で出来たドーナツの周辺のみ食べたら…

【読書メモ】ノンデザイナーズ・デザインブック

ノンデザイナーズ・デザインブックは、そのタイトルが示すとおり、デザインを本職としない人がデザインするために意識する事をまとめた本となる。 ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版] 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀 出版社/メーカ…

【読書メモ】読書について

ショーペンハウアーは1800年代前半頃に活躍したドイツの哲学者であるが、本書は、そのショーペンハウアーが本を読むことについて語った本となる。 読書について (光文社古典新訳文庫) 作者: ショーペンハウアー 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/09/25 …

【読書メモ】史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち

西洋哲学は科学へと発展していったことからもわかるように、世界の理を体系的、実験的に明らかにしようとしていた。一方、東洋哲学は、世界の理ではなく、自己の内面を解き明かす方向へ向かっていた。しかしながら、それは観測可能な事象ではなく、形而上的…

【読書メモ】科学哲学への招待

科学とは一体何か。科学会の末席を汚すものとして、科学について正しく知らなければならないと思い本書を手に取った。科学ってなんだろう。 科学哲学への招待 (ちくま学芸文庫) 作者: 野家啓一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/03/10 メディア: 文庫…

【読書メモ】国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

本書はフィンランドの大学教授や元国会議員、小中学校校長など、多数の人物からのエッセイから成り立つ本である。フィンランドの話では有るものの、日本の抱える問題とオーバーラップするような普遍的な話題も多くて、考えさせられる本だった。 国家がよみが…

【読書メモ】サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か

ミッション・インポッシブルというとスパイ映画を代表する映画であり、トム・クルーズ演じる特殊工作員の主人公が、不可能と思える任務(ミッション)を遂行していく映画である。おそらく、そのミッション・インポッシブルにインスパイアされたサイエンス・…

【読書メモ】史上最強の哲学入門

哲学というと難解なイメージが有り、長い間あまりその意味を見いだせないでいたが、抽象的な視点から物事の本質を捉えるための参考になるのではと思い、最近、哲学の本を読んでいる。といっても、本格的なものではなく、比較的易しめの入門書だが。最近、「…