2021年まとめ

2021年も引き続きコロナだった。しかし、ワクチン接種があったため、命の心配をすることはなくなったので、比較的平穏に生きることができた。今年は、やはり「さようなら全てのエヴァンゲリオン」だろう。エヴァが終わるのは感慨深いものがある。

研究関連は、『並行プログラミング入門』オライリー・ジャパンを出版できたことと、特許がようやく認められたことである。特許は、2017年に出願したもので、出願は前所属の先輩にお任せしていたため、すっかり忘れていた。出願から認められるまでの期間が長すぎる。研究開発に数年単位でかかり、特許が認められるまでさらに数年かかるため、3年や5年の研究開発計画では、とても長期的な視点は持てない。

このくそったれな環境をサバイブするためには、短期的視点な論文を量産した方が良く、自分のように特許を出願したり専門書を書いたりするのは時流と完全に逆行している。技術革新が起きる間隔が指数的に短くなっている現状、マクロで重要なのは、多くの人々が先端技術にリーチでき、技術のアップデートができることだ。以前ならば100年に一度のレベルのパラダイムシフトが、いまでは数十年に一度の頻度で起きているが、これに社会は全く追従できていない。重要なのは研究ではなく、コモンセンスのアップデートで、それには書籍と教育が最適だ。これらに、少しでも貢献できていれば良いのだけれど。(研究ももちろん重要だけど)

それでは、さようなら2021年。みなさん良いお年を。

2021年の成果は以下の通り。2021年はRust漬けだったので、2022年は圏論と組み込みをやっていきたい。

特許

  1. 井上 朋哉, 高野 祐輝, 三輪 信介, 特許第6888234号, 検索装置, 検索プログラム, 及び検索方法(2017年5月22日出願)

  1. 高野 祐輝, "並行プログラミング入門", オライリー・ジャパン, Aug. 2021.

外部講演

  1. 高野 祐輝, "並行プログラミング入門とRustを用いた低レベルプログラミング", 組込みマルチコアサミット, Nov. 2021

国際会議(査読あり)

  1. Sai Veerya Mahadevan, Yuuki Takano, and Atsuko Miyaji, "PRSafe: Primitive Recursive Function based Domain Specific Language using LLVM", International Conference on Electronics, Information, and Communication, pp.377-380, Jan. 2021

国内研究会

  1. 劉 小竜, 高野 祐輝, 宮地 充子, "セッション型を用いたプロセス間の安全な通信プロトコルの設計と実装", 情報通信システムセキュリティ研究会 (ICSS2021-50), 2021年11月
  2. 金谷 延幸, 津田 侑, 高野 祐輝, 藤原 吉唯, 伊沢 亮一, 井上 大介, "FPGAによるソフトウェア解析環境「Iana」の提案", Computer Security Group (CSEC2021-93), 2021年5月
  3. 斎藤 文弥, 高野 祐輝, 宮地 充子, "Coqを用いたソフトウェアスイッチの設計と実装", Computer Security Group (CSEC2021-03), 2021年3月
  4. 尾崎 純平, 高野 祐輝, 宮地 充子, "Rust言語用動的メモリアロケータの検査フレームワークの提案", Computer Security Group (CSEC2021-03), 2021年3月
  5. 竹中 幹, 高野 祐輝, 宮地 充子, "多様なネットワークで利用可能な低レイテンシ欺瞞的防御システムの設計と実装", Symposium on Cryptography and Information Security (SCIS) 2021, 2021年1月