【読書メモ】ノンデザイナーズ・デザインブック
ノンデザイナーズ・デザインブックは、そのタイトルが示すとおり、デザインを本職としない人がデザインするために意識する事をまとめた本となる。
- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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デザインの4原則
本書は、デザインを行うために注意すべき点は、以下の4つであると述べている。
- 近接
- 整列
- 反復
- コントラスト
近接は内容が同じものを近くに配置することで、整列はアラインメントを極力揃えること、反復は同じパターンを繰り返すことで、コントラストは強弱をはっきりつけることである。しかし、言葉にするよりも、本書に記載されている作例を見たほうが分かりやすいと思う。
パワーポイントなどのプレゼンツールの普及により、デザインを本職としない人も、デザインする必要が出てきている昨今、パワーポイントやポスターなどを作る人は、本書で一度学んだほうが良いだろう。ページ数も257ページしかなく、しかも、その6〜7割ぐらいは図表となっているので、読み終えるのも時間がかからないはずだ。
ただ、本書はもともと英語で書かれた本であるため、作例の多くはアルファベットベースであるのが少し残念な所である。日本語の例も翻訳本には載っているが、若干わかりにくくなっている感は否めない。
何故良いデザインになるのか
本書を見て思ったのは、確かに、上記4原則を守ってデザインされた作品は、大変見栄えが良いのだが、そもそも、何故上記4原則が必要なのかは書かれていない。本書はHow toを教える本なので、そのようなことを追求するのは本書の趣旨とは外れるので書かれていないのは当然といえば当然なのだが。
例えば、整列していなくても情報量的に変わらないはずだが、整列したほうが断然分かりやすく感じてしまう。多くのパワーポイントではタイトルが中央揃えで、本文が右揃えの場合が多いが、本書の原則通りスライドを作ると、大変綺麗に出来上がる。情報量的に変わっていないはずなのに、この差はどこから来るのだろうか?これは、おそらく人間の認知に関わる問題に思えるが、不思議である。そんなことを本書を読みながら思った。
スライドを作る人は読むべし
結論から言うと、パワーポイントなどをよく作る人は読んでおいたほうが良いだろう。本書でなくても良いかもしれないが、デザイン入門書は1冊だけでも良いので目を通したほうが良い。特に、デザイン以外の専門職、技術者、研究者などの人たちは、人に伝えるとかそういうことに対して手を抜き勝ちになってしまうので、How toだけでも学んでおいたほうが良いと思った。